• 「シクロスフィア」の基本活用編
  • ロードレーサー編
  • ヒルクライマー編

日々速く、強くなる為に努力するホビーライダーの走行データをプロのコーチがデータ解析Webサービス『シクロスフィア』を使用して分析。
課題の指摘、トレーニング法を伝授します。ライダー個々のスキルや課題や目的は1つではありません。ペダリングモニターシステムの活用法も様々ですが、1つの事例として御自分と比較してみてください。
自転車競技に深い関わりを持つ須田晋太郎コーチがプロアスリート達と共有した経験を基に、データを分析し強化ポイントを的確にアドバイス!

実例2 ヒルクライマー編

多くのデータから導き出す、最適なポジションやトレーニング方法とは?

プロフィール

週末に峠のタイムトライアル、平日は20分の自転車通勤+時々ローラー30分+時々筋トレ。ペダリング、ポジション、バイクセッティング、ペース配分で、結果がだいぶ違うので、常に意識してトレーニングしている。榛名山ヒルクライム52位(2014)の他乗鞍MTB5位(2011)、Mt富士ヒルクライムロード105位(2014)等の戦績を残す。

年齢 40代男性(メーカー勤務)
ペダリングモニターシステム使用歴 8ヶ月
自転車歴 16年
体重 56kg
FTP 220W
最大心拍 188bpm
安静時心拍 50bpm
トレーニング量 500km/月
走行地 Mt.富士ヒルクライムコース

データから読み取れる傾向①

210度〜300度付近で
マイナス方向の入力が出ている。

しっかりとペダリングが行えてる時のケイデンスは80回転平均と良いピッチを刻んでいます。
ぺダリングの入力もスムーズで、効率的なぺダリング入力が出来ていると言えますが、210度〜300度付近でマイナス方向の入力が出てしまっています。

ワンポイントアドバイス

引き脚のタイミングを早くする。

引き脚のタイミングが遅れると、上死点(0°)に向かい回転の抵抗となります。引き脚の開始を早めに意識するよう心がけましょう。

a:押し脚
b:踏み脚
c:巻き脚
d:引き脚

引き脚のタイミングが遅く
ロスが発生している
ライダーの表示例

引き脚のタイミングが早く
ロスが発生しない
ライダーの表示例

改善トレーニング方法

片脚ペダリングとエアペダリング。

ローラーを使い乗車状態で片脚ペダリングを行います。
筋力を鍛える目的ではありませんので、軽めのギアでスムーズかつ、リズム良くぺダリングを行うことが大切です。実際のフォーム、動きを意識して上死点でトルクが抜けないように行いましょう。体幹が捻じれたり、骨盤が大きく動いてはいけません。
180度付近からスムーズに引き脚につなげる意識付けはエアペダリングが有効です。
腰や股関節の柔軟性も影響しますので、腰部、股関節の屈曲、伸展を中心に体操、ストレッチを行うのも効果的です。

データから読み取れる傾向②

徐々に心拍とパワーが落ちてしまっている。

スタート直後に心拍が上がりすぎてしまい、徐々に心拍が低下しパワーも落ちてしまっています。
時系列データから読み取れる原因として、ウォームアップ不足、スタート直後のオーバーペースが考えられます。

ワンポイントアドバイス

ウォームアップで心拍数を上げる。

序盤のオーバーペースであれば、ペースを落としリズムを整えることで再度ペースを作り直し易いですが、ペースを立て直すことが出来なかった要因として、アップ不足により心拍数を上げることが出来ず、いつもより低いケイデンスで走行したことにより、後半の筋疲労でペースが落ちてしまったと推測出来ます。十分なウォーミングアップが必要です。

改善トレーニング方法

ウォームアップは段階的に心拍数を上げ身体をレースモードに入れる。

レースのスタート時間から逆算し、数回に分け段階的に心拍数を上げ身体をレースモードに入れます。クリテリウムや、起伏の激しい短いレースではウォームアップが特に重要になります。またレース中は過去の自分の最大心拍数を超えないようにモニター表示で管理した上でペース配分をおこなうことも有効です。

レース中でのペースの配分を
把握する。

MMP曲線から、得られる最大パワーと持続時間が解ります。レースの予想タイムから、ペースとして、そのパワー値以上は上げないようにし、瞬間パワー値ですと変動が大きく把握しづらいので、平均パワー値を同時に表示して、レース中はその数値を意識します。

レースと同じ状況下でトレーニング。

レースと同じ状況下でトレーニングする事によって、本番でも正しいペース配分を意識する事ができます。
実際のコースでなくても、ローラーでレースを想定した距離や時間をシミュレーションすることで実戦に有効なトレーニングを行う事ができます。

ヒルクライマー編まとめ

ペダリング効率の数字だけにこだわらず
身体的に低い負荷で高いパワーを発揮できることが重要。

ぺダリング効率70%〜80%という高い表示時には接線方向に多くの角度で回転に寄与する力が入力されている状態ですが、180度〜360度に向かってペダルを引き上げる方向に力を掛ける為には体重では無く、筋力をメインに使ってクランクを回すことになります。短い時間では高い推進力を発揮する事が出来ますが、長時間にわたってこのぺダリングを続けると早く筋肉疲労を招く可能性があります。トレーニング走行中にぺダリング効率とパワー、心拍数のバランスに注意し、より身体的に低い負荷で高いパワーを発揮できるようになることが理想です。

パワーだけでなくトルクの方向や量、ケイデンスなど
多くのデータを基に自分に最適なポジションを見つける。

ポジションが走りに及ぼす影響は大きく、正しいポジションを決定する為にペダリングモニターの各種データを利用することは効果的です。自分が目標とする状況や、得意なコースに合わせてペダリングが効率良くできているか? ポジションを変更した後に、パワーが出ているかだけを判断基準にせず、トルクの方向・強さ・タイミング、ケイデンス、心拍数など多くのデータを基に自分に最適なポジションを見つけることがスキルアップには重要です。

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