• 「シクロスフィア」の基本活用編
  • ロードレーサー編
  • ヒルクライマー編

日々速く、強くなる為に努力するホビーライダーの走行データをプロのコーチがデータ解析Webサービス『シクロスフィア』を使用して分析。
課題の指摘、トレーニング法を伝授します。ライダー個々のスキルや課題や目的は1つではありません。ペダリングモニターシステムの活用法も様々ですが、1つの事例として御自分と比較してみてください。
自転車競技に深い関わりを持つ須田晋太郎コーチがプロアスリート達と共有した経験を基に、データを分析し強化ポイントを的確にアドバイス!

実例1 ロードレーサー編

本当に”効率の良い“ペダリングとは?

プロフィール

都内のロードレースチームに所属。平日は週1〜2回の朝練と往復20kmの自転車通勤。週末は山岳メインのロングライド。その他、週3回程度のローラー練習や筋トレで体力の向上をめざし、チーム練習では集団走行やペダリングのスキルを磨く。群馬/修善寺CSCでの協会主催レースの他、クリテリウムやエンデューロ等に参戦。

年齢 40代男性(制作会社勤務)
ペダリングモニターシステム使用歴 12ヶ月
自転車歴 3年
体重 62kg
FTP 260W
最大心拍 198bpm
安静時心拍 52bpm
トレーニング量 1,000km/月
走行地 日本サイクルスポーツセンター

データから読み取れる傾向①

ペダルを回そうという意識が
強く表れてしまっている。

基本的には効率の良いぺダリングをしています。平均ぺダリング効率も50%後半と高い数値です。
90度付近で最大トルクを発揮し、180度付近では脚の力を抜き、惰性で引き脚へ切り替わっていますが、180度付近から後方へ力が掛かっていますので、ペダルを回そうと言う意識が強く表れていると言えます。

a:押し脚
b:踏み脚
c:巻き脚
d:引き脚

ワンポイントアドバイス

筋力を抑えて推進力を発揮させる。

脚の筋力で180度から後ろにペダルを回しペダルを引き上げようとすることで、短時間であれば高いパワーを出すことが出来ますが、筋肉疲労が大きくなります。0度付近から上手く体重をペダルに乗せ、180度手前から力を緩め180度付近から膝を引き上げるように脚の重さ分だけペダルを引き上げると、筋力を抑えて推進力を発揮し易いと言えます。

改善トレーニング方法

エアペダリングで反復練習。

地面に立った状態でぺダリングフォームをとり、片脚ずつぺダリングの動きを意識して行う。左右60秒程度を3セット。踵が下がらないように意識して行うこと。

データから読み取れる傾向②

上半身の乱れがデータに反映!

ベクトル表示からダンシング状態でのペダリングを解析。ダンシング時に180度付近よりかなり後方に踏力が発揮されている点から、上半身が前方に流れて、ハンドルに体重が掛かってる可能性があります。体重を効率良くペダルに乗せるためにも、もう少し重心を後ろに置き、180度に向け下方に踏めると良いでしょう。勾配が急な箇所では身体が傾く為、蹴りの方向が後方に流れるのは当然ですが、その場合も重心位置には注意が必要です。

悪い例

体重がペダルに乗らず押し脚が効いていないダンシング

良い例

180度に体重が十分乗り推進力が維持できている

ワンポイントアドバイス

筋力ではなく体重でペダルを
踏み込む。

シッティングの姿勢からダンシングに切り替わるところで、極端にケイデンスが落ちています。もう少し軽めのギアを使用し筋力ではなく体重でペダルを踏み込むことで疲労を抑えることが出来るでしょう。

ケイデンスが極端に落ちてます。

シッティング

ダンシング

改善トレーニング方法

重心位置を意識したダンシングの
練習。

勾配の変化に合わせて、体重をしっかりペダルに載せられる様に重心位置を意識したダンシング練習。少し重めのギアを使いゆっくりとした動きの中で、ポイントを意識すると良いでしょう。また自らの体重と勾配に合わせた正しいギア選択が必要になります。

データから読み取れる傾向③

ぺダリングに左右差。

左右のペダリングパワー値に大きな差異がみられます。これは、右足のペダリングが180度付近まで踏み込まれていることにより、パワーが高く表示されているのです。また、身体の歪みや上半身を過度に使用するペダルの踏み込む動きをすると、左右差が出やすくなります。トルク曲線を確認しても150度から180度付近で左脚と比べ、右脚法線方向へのトルクが増えていることが確認できます。

ワンポイントアドバイス

左右対称を意識するあまり、
不自然な動きにならないよう注意。

ぺダリングのリズムを作る為に左右で違う動きをする人もいますが、極端に筋肉疲労や過去の怪我等で左右差がある場合などは、トレーニングによって修正した方が良いでしょう。怪我の場合は完治してからトレーニングを行わないと走行に影響する癖になる場合があるので、注意が必要です。左右対称の質、パワーでぺダリングが出来る方が良いのですが、それを意識するあまりパワーが出なくなったり、不自然な動きにならないよう注意が必要です。人の身体は左右バランスが対象ではない場合がほとんどです。また、乗車の際にはサドルの中央に座れているか確認することも重要です。

サドルの中央に座れているか確認

改善トレーニング方法

固定ローラーとペダリングモニターを使って自分のペダリングを
意識すること。

固定ローラーを使いぺダリンググラフを確認し、ぺダリングの入力方向や量を確認。身体の軸を安定させ、踏み込む力を反対の脚で相殺し、体重が踏み脚に乗りすぎないようにコントロールする。
自分の前に鏡を置いたり、動画を撮影することで客観的に動きを確認し、意識することも良いでしょう。

ロードレーサー編まとめ

高いペダリング効率が常に必要なわけではない。
必要な時に効率良くパワーを引き出すことが重要。

起伏を含み、一定ペースで走ることが少ないロードレースでは、ぺダリングパワーやぺダリング効率だけを見てしまうとそのパワーをどのように発揮しているのか?という部分を疎かにしてしまう恐れがあります。登りや平地の巡航、アタックやスプリントなど様々な状況下で、様々な筋肉や技術を使い分け、効率良くパワーを引き出すことが重要であると言えます。パワー値を抑えても良いところでは、筋肉疲労を防ぐ意味で、高効率を求めない状況も考えられます。

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